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古傷

いつも通り俺はレジを打っていた。

普段と違う所といえば、異常に客の数が多いことと、
応援を呼んでも誰も来てくれないことぐらいだ。

いくら呼んでも誰もレジに入ってくれないので、
諦めて俺は一人でひたすらレジを打っていた。

客足は一向に途絶えることはなく、俺は考えるのをやめレジを打つ機械と化した。


…………どれくらいの品物をスキャンしたことだろう。
ようやく、最後尾が見えてきた。

よし、あと少し。

気合を入れなおして俺は品物をスキャンしていく。


最後の客の番になった。
最後尾に並んでいたのはどんな人だろう…?
俺は好奇心から顔を上げて真正面からその客の顔を見た。


そこにいたのは、二人組の女性だった。
それも、知っている顔だった。

一人は、中学の時以来の友人である人。

そしてもう一人は…

俺の初恋の人だった。

俺に狂おしい衝動を与え、
心が壊れることの痛みを教えてくれた女性。

会うのは中学を卒業して以来だろうか。
何故こんなところに…?

そう思い、チラっと友人に目を送ると彼女は含み笑いをしていた。

そうか、そういうことか。好きだねお前も。


会うのも久しぶりだし客ももう来ないので、軽く話すことになった。

バイトのこと、お互いの近況、そんな他愛のない話が途切れたころ、
突然友人が初恋の人に、
『そういえば、S(初恋の人)ってフラれ屋に告られたんだよね?
 ぶっちゃけどうだった?』
なんてことを聞き出した。

何を急に。何年前の話をしているんだお前は。

考え込む初恋の人。

そんな真面目に考えるなよお前も。

ワクワクした顔で初恋の人と俺を交互に見る友人。
そんな友人をみて苦笑いの俺。

そして、初恋の人の口が開いた。

『鬱陶しかったかな。』


あ…そうスか…。そんな派手に動きましたっけ俺?
素直に謝るしかないよね。

軽く死にたくなった心境をひた隠し、陽気振舞おうとしようとした時…




見慣れたアパートの天井が。

そんな今朝の夢の話。
by down-to-mexico | 2006-10-26 23:08
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